待望の9巻!!
8巻の感想。
帯コメントには
「大切な誰かを想う度に僕らはいつもすれ違う
一緒にいたい。ただそれだけなのに、それだけが遠い。」
とのこと。
これまで、10年以上続いているこの作品だけど、
なかなか本編のストーリーはゆっくりでした。
特に、魚住と榀子の関係に至っては、「あまりにじれったすぎるんじゃないか?」
と言いたくなるような牛歩戦術っぷりでしたw
でも、その関係がこの9巻では各方面に一気に加速します。
魚住と榀子が付き合い始めて以来、どうして良いかわからないものの、
お店の常連である雨宮という男と親しくなる。
そして、「決してデートではない」と言いながらも二人で出かけることに。
しかし、当日の朝に雨宮はある電話を受けて、突如予定をキャンセルすることに。
何の気なしに、その事情にハルを連れてきた雨宮だったけど、そこで待っていたのは
雨宮と幼少の頃から付き合いのあったみもりだった・・・
彼女とは家族ぐるみの付き合いをしていたが、
雨宮の母親が亡くなるときに色々あって以来、疎遠になっているのだった・・・
そして、当然ながらみもりは雨宮に特別な感情を抱いていて・・・
でも、そんな事を気にも留めずハルを連れてきてしまった雨宮。
そんな空気を察して、一人気まずく思うハルだった・・・
一方、魚住と榀子。
彼らの関係はハルには伝わっていたが、浪には伝わっていなかった・・・
現実だから受け入れようとするものの、改めて目の当たりにすると
心の整理が付かない浪と、それに同様する榀子・・・
ここの浪の気持ちも痛い程わかるのがね・・・ホントツラいです。
一方、魚住と榀子が付き合い始めて以来、自然と距離を保っていたハルが
魚住と一緒に食事に行ったり。
こういう関係の二人が、徐々に元通りになったり、
それまでいなかったような気を使ったりっていうのがまた微妙なんだよね・・・
もの凄く切ないです。
そうして、榀子の心配をよそに、8巻で知り合ったモデルの女性・莉緒の家に転がりこみ、
長らく厄介になることに。
特別に関係を持つ訳ではないけど、不思議と居心地が良いという感じなんでしょうね。
この二人の関係も、今後への伏線のような感じがしますね。
ハルと雨宮のような関係になるのかどうか・・・
その後も会ったりなんだりを続ける
周囲の人には「妹」ということにして紹介するものの、
それは彼女にとってはあまりに残酷な紹介だった・・・
当然ながら、先日彼がハルを連れてきていたことも気に病んでいた訳で・・・
果たして。というところですね・・・
という訳で。
安定なのは魚住と榀子ぐらいで、
ハルは雨宮と、浪は莉緒と・・・それぞれ、人間模様が動き出す。
皆、本当に一緒にいたいだけなのに、その「だけ」というのが重い、
というか皆して本当に不器用です。
でも、そんなそれぞれの不器用さが溢れているからこそ、
この作品は面白く、親しみやすく、そしてリアルなんだよね・・・
そんな人間模様がたっぷりつまったこの作品。
次は10巻か・・・感慨深いですね。当然ながら楽しみ!!
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